鎖国状態にして、情報を隠すと、正しい情報が伝わらず、誤った形で広がるのです
美味しいぶどう酒が若い日本女性の生き血に変わります !!
幕末ばかりの話しではありません。今でも情報を隠すことが多々あります
隠す情報は何か、判断する人の力量が問われます
欧米人(よそ者)に対する忌避の感情は、幕末の攘夷思想の根底を形作っているように思えます。
文明開化の明治維新になっても、この忌避感情は残っておりました。
日本最初の工場制機械工業であった富岡製糸場の初代所長尾高藍香の「藍香翁」に以下の記述があるのです。
| 生まれて初めて見た外国人等の、此地に来りて城趾を拓き、棲息をなさば如何ならむ。 災害や来らむ。少なくも神仏の祟り、祖先の怒り、其は免かるべからざる当然の数なるべしとて。 且つ忌み且つ怖れ。 甚だしきは其の工事につき妨害を試みむと為す者すらありき。 然も此の妨害に付き、翁の差向きて窮(こま)られたるは、彼教師ブリュナ氏夫妻等が宿泊所なり。旅宿も民家も寺院の如きも、皆拒みて其床上を貸すことを肯んぜず。 |
よって翁は、宿の旧本陣の某氏に就き、種々に依頼し、且つその利害を説きて、辛うじて主人の允許を得、教師等一行をして僅かに露宿の艱難に遇はざらしむることを得たりしと言えり。 (中略)彼異人共は、実は魔法使いの悪鬼輩(あくきやから)にして、彼のお触に応じて過ちて年若の工女を彼工場に入れむか、可愛や其女等は忽ち彼等に生血を絞られて、其の生命を断るべしと言うにあり。 然して悪説の出所はと問えば、土人は風説にあらず、現に目撃たりと言う。如何なる物をか見たると問えば、別にもあらず、彼等の飲む血酒!と言う。 |
富岡製糸場に招聘されたのはフランスのブリュナ氏夫妻等で、彼らの飲む祖国の赤ワインが生き血に見えたようです。一度ご相伴になれば、このような誤解はないでしょうが、残念ながら、その機会はなかったようです。
年若の女性が対象のようで、年増の女性や男性だとどうでしょうか。関心の度合い、受取方に違いが出て来るような気がします。
誤った情報は、年若の女性という言葉で、一層センセーショナルになったと思いますが、いかがでしょうか。
最高級のワインと云われるシャトーマルゴーを試飲する機会がありました。
「本当の試飲」とはこういうものか?と思わせる少量で、2回、3回の試飲という、はしたないことは出来ないのです。
普段飲み慣れているスーパーマーケットのモノとはチト違います。
簡単に言うと12,3種類ほどの旨みが深く絡み合っているような味と云えば良いのでしょうか、普段飲み慣れているものは旨みが2,3種類しかなく絡み合っていません。
値段?、買うことはないでしょうから聞いても……….。
(ラベルを細部まで見たい方はラベルをクリックして思いを馳せて下さい。ラベルを印刷して活用しますか?)
そして、生き血を飲むことはとんでもない妄説であると、明治政府が長野県下に出した文書(告諭書)は、
| 扨(さて)、世間にては、西洋人に近付ば生血をとらるる抔(など)、様々の妄説もこれある様相聞候得共、全く左様の事は是なく、 外国にても人情をもってすれば、彼もまた人情を以て応ず。 何も血をとるよふの仕業あるべきや。 現在横浜・東京におゐて不断外国人に交り候而も、是迄右様の事は無之、畢竟開化にうつる自然の道理を心得ざる人の説にて、訳もなき僻言(ひがんだ言葉)なり。 僻在には固陋(見聞が狭くかたくななこと)の浮説を信じて事の実行を遂ざるあり。「明治五年六月十九日の東京日々新聞」 |
若い女性の活躍は、富岡製糸場の武家娘と養蚕技術の水平展開、そして「繰婦勝兵隊」をご覧ください。
参考資料:富岡日記、富岡入場略記、和田英著、群馬県文化事業振興会
2006.08.14